ハラスメントで退職すると会社都合になる?離職票で確認したい3つのこと

ハラスメント退職が会社都合になる条件と離職票の確認点を示す図解 退職・辞めたい

「ハラスメントがつらくて自分から退職したら、自己都合にされてしまうのだろうか」

「会社が認めてくれなければ、会社都合にはならないのだろうか」

退職を考えるほどつらい中で、失業給付のことまで一人で調べるのは負担が大きいものです。

先に結論

ハラスメントが原因でも、自動的に会社都合になるわけではありません。ただし、自分で退職届を出したからといって、必ず自己都合になるとも限りません。

この記事では、ハラスメントで退職した時の離職理由の考え方と、退職前後に確認したい3つのこと、相談先をまとめています。

ハラスメントで退職しても自動的に会社都合になるわけではない

ハラスメント退職の離職理由をハローワークが資料と説明から判断する流れ

一般に「会社都合」と呼ばれる離職には、倒産や解雇だけでなく、職場での著しい嫌がらせなどによって退職せざるを得なかったケースも含まれることがあります。

大切なのは、退職届を誰が出したかだけで決まるわけではない点です。

特定受給資格者に該当する場合がある

厚生労働省は、上司や同僚などから故意にのけ者にされたり、著しい冷遇や嫌がらせを繰り返し受けたりして離職した場合、雇用保険上の「特定受給資格者」に該当することがあると案内しています。

一方で、仕事上の失敗に対する通常の注意や叱責が一度あっただけで、必ず該当するわけではありません。

「自分のケースは弱いかもしれない」と一人で結論を出さず、具体的な言動と退職までの経緯を相談することが大切です。

出典:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」

最終的な離職理由はハローワークが判断する

会社が離職票に「自己都合」と記載しても、それだけで最終決定されるわけではありません。

ハローワークが本人の説明や資料、会社側の主張などを確認し、離職理由を決めます。

まずは自分の安全を守り、退職後に離職票を確認してハローワークへ事情を伝える道もあります。

退職前に確認したい3つのこと

ハラスメント退職前に記録・相談経過・安全と体調を確認する3項目

退職前に確認したい3つ

  • 出来事と心身への影響を記録する
  • 社内外へ相談した経過を残す
  • 自分の安全と体調を優先する

記録を増やすために無理をして働き続ける必要はありません。

1.出来事と心身への影響を記録する

以前、私も威圧的に感じる上司が出勤すると、職場が急に静まり返る環境にいたことがあります。

「次は自分かもしれない」と不安になりましたが、当時は厳しい人だから仕方ないと考え、相談が遅れてしまいました。

振り返ると、言われた言葉だけでなく、いつ、どこで、誰がいて、職場や自分にどのような変化があったかを残しておくことも大切だったと感じます。

可能な範囲で、次の内容を時系列にしてみてください。

  • 日時と場所
  • 相手の具体的な言動
  • その場にいた人
  • メールや業務チャット
  • 欠勤、通院、仕事への影響

受けた言動の種類を確認したい場合は、職場のハラスメントの代表的な種類と相談してよいサインで整理できます。

2.社内外の窓口へ相談した経過を残す

人事、社内相談窓口、上司などへ相談した場合は、相談日、伝えた内容、会社からの回答をメモしておきます。

会社へ相談しにくい時は、最初から総合労働相談コーナーや都道府県労働局へ相談しても構いません。

ハラスメントと断定できない段階でも相談できます。

詳しい窓口の選び方は、職場のハラスメント相談窓口と相談前の準備で確認してみてください。

3.退職前に自分の安全と体調を優先する

暴力や脅迫がある時は、その場を離れて安全を確保してください。

眠れない、食べられない、涙が止まらない、出勤前に強い動悸が出る状態が続いているなら、離職理由の準備より医療機関への相談を優先してよいかもしれません。

記録が十分でないことを理由に、つらい職場へ無理に居続けないでください。

今の負担を確かめたい場合は、職場の人間関係に疲れた時の限界サインも目安になります。

離職票が届いたら離職理由を確認する

離職票の離職理由を確認し違う場合は異議を伝える手順

退職後は、会社から届く離職票の離職理由を確認します。

離職票が届かない場合も、放置せず会社やハローワークへ確認してみましょう。

実際の理由と違う時は異議を伝えられる

離職票の記載が実際の退職理由と違う場合は、雇用保険の受給手続時にハローワークへ伝えられます。

会社が「自己都合」と書いているから変更できない、と諦める必要はありません。

離職票の異議に関する欄を確認し、退職に至った経緯を担当者へ説明します。

ハローワークへ資料を持参して経緯を説明する

時系列のメモ、相談記録、メール、業務チャット、配置転換の辞令、就業規則、労働契約書など、経緯を説明できる資料があれば持参します。

すべてがそろっていなくても相談できます。手元にあるものを伝えたうえで確認してみてください。

すぐ働けない時は受給期間延長も確認する

失業給付は、働く意思と能力があり、求職活動をしていることが前提です。

退職後も病気やけがですぐに働けない場合は、基本手当をすぐ受けられないことがあります。

30日以上働けない状態が続く場合は、受給期間を延長できることがあるため、ハローワークへ確認してください。

会社都合かどうかで失業給付の扱いが変わる

離職理由により失業給付の給付制限や給付日数が変わることを示す図解

離職理由によって、給付制限や所定給付日数の扱いが変わることがあります。実際の条件はハローワークで確認してください。

給付制限と所定給付日数が異なる場合がある

2025年4月1日以降、正当な理由のない自己都合退職には、原則1か月の給付制限があります。

特定受給資格者や特定理由離職者には給付制限がなく、年齢や雇用保険の加入期間によっては、所定給付日数が手厚くなる場合もあります。

出典:厚生労働省「退職勧奨後、離職票に自己都合退職と記載されました」

金額や受給開始日を記事だけで決めつけない

実際の給付額、受給開始日、給付日数は、年齢、賃金、加入期間、離職理由などで変わります。

記事の一般例だけで生活費の計画を立てず、住居地を管轄するハローワークで確認しましょう。

退職前後に相談できる窓口

退職前後の相談内容に応じてハローワーク・労働相談・医療や警察を選ぶ図解

相談内容によって窓口を分けると、次の行動を選びやすくなります。

離職理由と失業給付はハローワーク

離職票の記載、異議の伝え方、特定受給資格者に該当する可能性、受給期間延長は、ハローワークへ確認します。

最終的な離職理由を決める窓口でもあります。

会社とのトラブルは総合労働相談コーナー

退職前に会社の対応やハラスメントについて整理したい時は、総合労働相談コーナーを利用できます。

無料で、電話または面談による相談が可能です。

出典:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」

まだ退職するか迷っている場合は、人間関係で会社を辞めたい時の判断基準でも気持ちと状況を確認できます。

強い不調や危険がある時は医療機関や警察も選択肢

心身の不調が強い時は医療機関へ相談してください。

暴力や脅迫があり身の危険が迫っている時は、職場との話し合いより安全確保を優先し、警察や地域の緊急窓口を頼ることも考えてください。

まとめ|離職理由は一人で決めつけずハローワークへ確認する

離職票を確認し一人で決めつけずハローワークへ相談する流れ

ハラスメントが原因で自分から退職した場合でも、必ず自己都合になるとは限りません。

著しい嫌がらせなどによって退職した場合は、特定受給資格者に該当する可能性があります。

退職前は、無理のない範囲で出来事、相談経過、心身への影響を残しておきます。

離職票の記載が実際の理由と違う時は、受給手続時にハローワークへ伝えてください。

会社が書いた理由だけで諦めず、手元の資料と退職までの経緯を一緒に確認してもらうところから始めてもよいかもしれません。

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